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ちまき祭り

ウキウキ ヨーロッパの旅のブログを書いている途中ではありますが、一旦中断してシンガポールの歳時記の話を1つ。
今日、6月2日は中華圏の記念日の1つ「Dragon Boat Festival / Dumpling Festival / 端午节 (Duan Wu Jie) / 端午節」にあたる日。端午という言葉を見て、「あれ?」と思う人もいるでしょうが、そう、日本でいうところの5月5日のこどもの日と同じもの。ただ、中華圏の場合は旧暦に沿って移動するので、今年は6月2日になったというわけです。

名称がいくつもありますが、それはこの節句に行う風習に基づいたもの。1つ目の「Dragon Boat Festival」とはその名の通り龍のように長い手漕ぎボート 「Dragon boat / 龍舟」のスピードを競う競争が行われることに基づいて。そして、2つ目の「Dumpling Festival」とは、端午節の故事にもとづいて 「Rice Dumpling / 粽子 (Zong Zi ) / 中華ちまき」によります。

恐らく、今日、ないしは週末の6月1日にはシンガポールのどこかでボート競技が行われていたはずなんだけれども、それはチェックしておらず、私はちまきだけを食べて楽しみました。
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ただ「なぜに端午節にボート競技が行われるのか?」「どうしてちまきを食べるのか?」についての謎は未決のままなので、それにはもう少し由来を知る必要があります。

中国の「楚」の時代には有名な詩人であり官僚でもあった「Qu Yuan / 屈原」という人がいました。彼は人気があったのだけれども、やがては失脚してしまいます。その時彼は怒りと失望で、王に対する無言の抵抗として川に身投げをしてしまいます。それを知った彼を慕う人々はせめて彼の亡骸を川から引き上げようと、競って舟を川に出し彼の遺体を探します。→→ これがドラゴンボート競技の起源です。

そして、おそらく彼らは屈原の遺体を見つけることが出来なかったのでしょう、川の魚に屈原が喰われてしまうことがないようにと、川に中華ちまきを投げ入れたとされています。(故事にしては生々しい) →→ これがちまきを食べる風習の始まりです。
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さて、私が食べたちまきは「Katong / 加東」地区にある名店「Kim Choo / 金珠」のもの。プラナカン菓子やプラナカン伝統のちまきなどを販売する老舗のお店として知られています。前々からここのちまきを食べてみようと思っていたものの、他に買いたいものがあっていつも買わずじまいだったけれど、今回は歳時記にちなんでようやく、ちまきをメインで購入しました。「Mini Nyonya Dumplings (Pork) / ミニ・ニョニャちまき (豚)」10個。

今度改めてきちんとプラナカン文化やニョニャ料理…などについては書いてみたいと思っているのですが、大好きすぎるのか想いが強すぎてなかなか書けずにいます。もっと力を抜いて、さらりと記事にしたいものだと思います。
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ミニ中華ちまき、期待通り美味しかったです。中の具は豚を選んだのだけれど、かなりあまい味付けで黒く煮こまれた豚の角煮が入っています。私はあまりに具が多いので笹の葉を開いた時にびっくりしてしまった。

色は濃いけれど、その色の濃さに反して味はそんなにびっくりするほどしょっぱいということはありません。中華の濃い口(色)醤油を使っているからこうなるのよね。プラナカン料理はスパイシーな味付けのものが多いけれど、このちまきは甘じょっぱいだけなので、もち米の部分であればうちの幼児も美味しく食べることが出来ました。

今回はちまき祭りに合わせて購入したけれど、Kim Chooではほぼ通年で名物のちまきは買うことができるので、また店に立ち寄る時には忘れずに買って帰ろうと決めました。まだ味わっていない人にはぜひ食べてもらいたい♪

Kim Choo 金珠
 本店: 60-62 Joo Chiat Place Singapore
 支店: 109 East coast rd, Singapore
    
<類似品にご注意>
”Joo Chiat Kim Choo traditional rice dumplings” という名で売られている類似品があるけれど、それはこちらのお店のものではないとのこと。正規のKim Chooちまきは 本店、もしくは支店でしか販売していないそうです。そういえば先日、Fairpriceでも類似品が売られていたなあ。私も「おっ」って思って手にとって見たからまちがいない!

by hanatomo31 | 2014-06-02 23:12 | シンガポールSingapore

座右の銘は「空腹は最高の調味料」 欲しいのは「食べても食べても太らない、魔法のカラダ」


by ハナトモ