魅惑の不思議庭園「Haw Par Villa」- その1
2014年 02月 16日
私はシンガポールに住むのは今回が初めてですが、旅行での訪問は過去に何度かあります。2012年の秋口と、その前はうんと昔、そうねぇ、たぶん25年近く前の事になるでしょうか。その時に家族で訪ねた忘れられない場所があります。それは「Tiger Balm Garden / タイガーバームガーデン」。 シンガポール生まれのメントールの効いた軟膏「虎標萬金油 / Tiger Balm」を生み出した「胡 兄弟 / Aw Brothers」が造った、観るものに強烈な印象を残す人形がいっぱいのジオラマ庭園。私が訪れた80年代から時は流れ、廃れ、閉鎖されたりしつつも、現在では胡兄弟の名前を冠した「虎豹別墅 / Haw Par Villa / ハウパーヴィラ」と名前を変えて再び営業中です。(どうやら、私が訪れた時にもすでに名称はHaw Par Villaに改称されていた模様) タイガーバームの名前の元になったのはお兄さんの名前が「胡 文虎 Aw Boon Haw」だったから。弟の名前は「胡 文豹 Aw Boon Paw」。兄弟揃ってなんてかっこいい名前なのでしょう。両親の名付けのセンス、私は好みです。 この兄弟はシンガポールで現代に通じるブランド・マーケティングで大成功を収めた実業家のはしりといえる人達だと言われています。沢山の儲かったお金の使い道の1つとしてタイガーバームガーデンも造られました。(香港など他の拠点合わせて全部で3つ作られました)兄 文虎はカスタマイズした高級車に乗るのもお好みだったようで、ブランド・マーケティングと趣味を兼ねてこんな「Tiger Car」を乗り回していました。写真のものは何代目だったのか失念しましたが、初代から何種類か作られたようです。私はこういうのも結構好きだわ。 マーケティングといえば、ブランドのキャラクター開発も欠かせません。しっかりとした印象深いタイガーバームのキャラクター達。(これは決してゆるキャラではない) しっかりと手にはタイガーバームを載せています。極彩色のワニのキャラクターはいったいなんだったのか、解説が見当たらなくて詳細がわからなかったのがひどく残念です。
基本は中国にまつわるものが殆どなのですが、中には日本の相撲取りや、タイの踊り子のようなモチーフもあったりでそのセレクションにはやや謎が。 そして、写実的な描写を目指しているのかと思いきや、時々なんだこりゃと思わせる脱力系のものも。ややや!パンダって、こんな姿でしたっけ??
と、まずはHaw Par Villaの概要を説明して今日のところはおしまいに。実はね、この庭園には私が思うところの「メイン」のアトラクションがまだあるんですよ! そのことだけでかなり長く書くことになりそうなので、2回に分けて記事にしたいと思います。そんなわけですので、次回を待っていてね。あまり長く間を空けずに更新するように頑張りまっす!
園内には中国の神話・寓話・物語のモチーフの場面を表わしたジオラマが沢山あり、見ながら親子で会話すれば中華系の歴史や道徳の勉強になりそう。実際、胡兄弟が目指したのも「道徳的なためになるテーマパークづくり」だったのではと思われます。生憎、私は今のところこれらのモチーフに使われているお話の多くを知らないので「ほうほうなるほどね…」とはすぐにはいかないのですけれども。
この写真の中で表現されているのは「八仙 / The Eight Immortals」。なんだかよく知らなかったので調べてみると道教に出てくる仙人のメインキャラクターだそうで、日本でいうところの「七福神」に近いものであるとか。それにしても、蟹や亀や龍から人間の顔がニョキッと出ていたり、なかなか斬新な描写に心が奪われます…。
by hanatomo31
| 2014-02-16 06:41
| シンガポールSingapore