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シンガポールの旧正月には「魚生」でしょ

本日、旧正月本番。ものすごく街が賑わうか、ガラーンとなるかどっちかだね、と思っていたのですが、後者の「街が静かになる」が正解でした。時折、賑やかに太鼓やらを叩いている人の乗ったトラックが近くの大通りを駆け抜けたり、ゆっくり進んだりしてお祭りムードを演出しますが、それ以外の時間は死んだように静か。スーパーマーケットなど生活に必須な商店は時短で営業中ですが、中華系の人が経営するお店の多くは休業中。

中華街でなにかやってはいまいかと、暇なついでに出かけてみたりもしたけれど、やっぱり出歩いているのは観光客もしくは非中華系の人々ばかり。地下鉄(シンガポールのはMRTと呼ぶ)は、いつもとは人種の比率がぜんぜん違う。多くいるはずの中国系はほぼゼロで、インド系の男性ばかり。旧正月は公の祝日だからお仕事はお休みだけれど、旧正月だからといってこれといってやることのないインド系の男性がとりあえず街に繰り出しているといった模様。なんだかちょっぴり不思議な世界が広がっていたのでした。

でね、「Yee Sang / Yusheng / 魚生」のこと。これまでにも日本で魚生を旧正月に食べていたりしたのですが、「やはりここは本場のシンガポールでも食べたいわよね」と、このシーズンは2回ほどレストランで頂きました。1回めはシーフードが美味しい中華のお店で。
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専用の道具を使って細切りにした山盛りの大根(刺し身に付いてくるツマの大根とほぼ同じ)、人参、ちょっと変な色をしたネギ(着色してある)などが中心に盛られ、その周辺に赤く色付けした甘酢生姜、白いままの甘酢生姜、シロップ漬けのパパイヤ…などなど、野菜や香味野菜を「魚生」用に下ごしらえした、おそらく市販のものが並びます。それぞれの薬味には意味がありますが、その辺りのことは過去の「魚生」記事を参照してね)
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この野菜盛りの上に、お刺身を盛りつけているところ。この横では、サラダの分量に対して刺し身の量が少なくて唖然としている私がいます。
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この上からさらに揚げワンタンの皮を散らし、はちみつタップリの専用のタレを回しかけ…ここからが本番! お店で用意してくれた長いお箸(菜箸だった)を各々が手に持ち「ローヘイ」と掛け声をかけながらサラダを天高く持ち上げ、具材を全て混ぜ合わせます。勢い良く、高くやればやるほど運気もアップするのだけれど、そんな混ぜ方をすれば当然 周りに飛び散ります。でも、いいんです! この料理は散らかしてもOKなんですから。
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終了したところ。少ししかなかったお刺身は一体どこへ消えたのやら…。まさか、テーブルから吹っ飛んで消えたわけじゃないわよね? 私のとり分けた分の魚生には魚は居なかった。(涙) 

私は日本で初めて魚生を食べた時に、サラダにお刺身を入れて、はちみつベースの甘いタレや、揚げワンタンなど食感のあるものを組み合わせて食べる食べ方が気に入ったのです。

でもね、お店で売られている「魚生セット」と呼ばれる生姜やら、瓜やらの濃い色に着色されて、下ごしらえ済みの薬味は嫌いです。自分で野菜や薬味を準備して食べるほうが味もいいし、変な食品添加物を食べなくて済みますから。図々しいようだけれども、味ば私が作る魚生の方がずーっと美味しいよ。レストランなんだったら魚生の薬味をお店で準備すればよいのに、と思うけれど、出来合いのものを使っているお店が多いようです。

しかし、今シーズン2度目に頂いたプラナカン料理(プラナカンについてはまたいずれ)のお店の魚生は全部お店の手によるものでした。
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テーブルに運ばれてきた時からオリジナリティー溢れる盛り付け。お刺身の代わりに大根の漬物がのって出てきました。野菜を覆い尽くすようにたっぷりとかけられたピーナッツ。これをまた、エイエイっとお箸で豪快に混ぜあわせたら…
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こうなりました。スイートチリソースが内部にたくさん仕込まれていたので、サラダは「キムチですか?」と尋ねたくなるほどに赤く染まりました。スイートチリソースだから魚生特有の甘い味わいは活きているのだけれど、いかんせんたっぷりかかっていたので、サラダ自体はかなり辛め! 途中、「はふー」となりながら汗をかきかき食べました。辛かったのは確かだけれども、薬味を含めた全ての素材がフレッシュで良かったなぁ!

by hanatomo31 | 2014-01-31 23:58 | シンガポールSingapore

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