ロシアご飯3 ‐ スープ、サラダ、前菜編
2012年 08月 20日
ロシアのご飯、今日はスープや、サラダ、前菜的なものをいくつか。
<スープ編> まずは、ロシア料理と言えば多くの人が思い浮かべるであろう「Борщ / Borscht / ボルシチ」。ビーツの鮮やかな赤い色が特徴のスープです。ロシア圏の中でも、ウクライナのキエフ生まれの料理であるため、「キエフのボルシチ」など地名付きで呼ばれることも。
私がこれまで日本で、また実家でボルシチを食べた際には、ジャガイモが入っていたり、とろみのあるシチュー系統の料理だったような印象を持っていましたが、ロシアで頂いたものは全般的にサラサラの質感のスープでした。味の決め手はもちろんビーツと、「Сало / Salo / 豚の脂身の塩漬け」。 サーロは料理のコクだしのために野菜などを炒めたり、煮込んだりする際に投入するだけでなく、ライ麦パンにこの脂身をすりこむようにして味を付け一緒に食したり、ハムのようにそのまま生のままスライスして食べたり…。ウクライナの欠かせない味。
私はブッフェスタイルの食堂で目ざとくこれを見つけ出し、トレーに載せてしまいました。サーロだけを口に入れて味わうと初めはひんやり冷たくて、やがて口の中で脂身が溶けだし うま味が広がります。本当にただのしょっぱい脂と言ってしまえばそれだけだし、肥満を回避したい人なら口にすべきものではないと思うのだけれど…食べちゃった! 夫の冷静なアドバイスと、自分の理性をもってして、2枚味見をした後は申し訳ないけれど残すことに。
今度のスープも赤みがかっていますが、こちらは「щи / Shchi / シチー」発酵キャベツを使った酸味のあるスープ。保存のきく「Квашеная капуста / Sauerkraut / ザワークラウト」を使っているので、冬でも味わえるごく一般的な家庭の味。爽やかな酸味が食欲を増進させてくれます。
見た目上は違いが分かりづらいかもしれませんが、これは「Грибной суп / Gribnoy Sup / キノコのスープ」。大き目の角切りのキノコがゴロゴロ入った、キノコ好きに嬉しいスープです。ロシアもキノコをよく食するので、キノコ料理は豊富。すぐに判別できるものだけでも、ポルチーニ、カンタレラ、シャンピニオンドパリ…種類も豊富に手に入るのです。 キノコのシーズンオフの時のために、こうして瓶詰めの「Маринованные грибы / Marinated mushrooms / キノコのマリネ」を作る習慣があります。乾燥キノコもいいけれど、ふっくらジューシーなキノコがいつでも味わえる瓶詰めってかなり魅力的です。この写真をスーパーで撮りながら、心の中ではこの瓶詰めを買って帰りたい気持ちと激しく葛藤していました。結局、買いませんでしたけれども、後ろ髪惹かれる想いで立ち去るのはかなり苦しかった!
<サラダ> 「Сельдь под шубой / Herring under a fur coat / 毛皮のコートを着たニシン」。名前がユニークなので、1度聞いたら忘れられないこのサラダ。酢漬けニシン、ビーツ、ジャガイモ、にんじん、茹で卵をマヨネーズ、「Cметана / Smetana / サワークリーム」で和えたもの。それらをただグチャっと混ぜるのではなく、美しく層になるように盛りつけて、ニシンがフサフサの毛皮をまとっているかのように見立てているところがミソ。
名称、見た目、味、材料の手に入りやすさ、キャッチ―な条件が全てが揃っているが故に、ロシア圏(バルト圏)、北欧諸国ではかなり広く食べられているサラダの1つです。
「(Салат) Оливье / Salad Olivier / サラダオリビエ」。ジャガイモ、ハム、人参、グリンピース、茹で卵、マヨネーズで和えたもの。ロシア圏だけでなく、北欧、西欧でも広く親しまれている味。日本でもサラダオリビエという名称に関係なく、口にしている馴染みのある味かもしれません。
1860年にベルギー人のシェフLucien Olivierが、レストラン「Hermitage」のために考案したもの。シェフは季節ごとに食材を変え、それに合わせて味付けも調整するなど かなりデリケートな配慮をすることに苦心し、顧客の心を掴むのに貢献しました。それなのに、そのレシピをOlivier氏は生涯極秘で通したため、そのものずばりの味を継承した人はいないとか。勿体ない話です。
「「「(Камча́тка) Салат из крабов / (Kamchatka) Crab Salad / カムチャッカ蟹サラダ」。ロシアで蟹が獲れるところと言えば、カムチャッカ。カニ肉入りのサラダだから、この名前になりました。
<その他、前菜的なもの> 「Студень / Studen (Kholodets ) / (豚)肉のアスピック」。この時食べたものは、ニンニクのパンチが効いた、豚のくず肉を使ったアスピック(煮こごり)です。見てすぐに味は想像できたのだけど、やっぱり食べてみたくて、ブッフェで思わずトレーに載せてしまいました。
「Mаринованный зеленый помидор / (青)トマトのピクルス」。
ロシアでは冬が長いため、新鮮な野菜が手に入る期間が短いのは容易に想像が出来ます。そのため、ピクルス(貯蔵野菜) を作るのが習慣としてあり、きゅうりなど世界的に一般的な食材の他、トマト、ニンニク、果てはスイカまで漬けてしまうのだとか。 スイカの漬物にはついに出会うことはなかったけれど、青トマトは味見済み。(冒頭のモノですよ) 熟れていないからトマト感は殆ど感じられず、完全に「ただの瓜」。漬物としての相性は良好です。
食べたいモノはありましたか??
<スープ編>
私がこれまで日本で、また実家でボルシチを食べた際には、ジャガイモが入っていたり、とろみのあるシチュー系統の料理だったような印象を持っていましたが、ロシアで頂いたものは全般的にサラサラの質感のスープでした。味の決め手はもちろんビーツと、「Сало / Salo / 豚の脂身の塩漬け」。
私はブッフェスタイルの食堂で目ざとくこれを見つけ出し、トレーに載せてしまいました。サーロだけを口に入れて味わうと初めはひんやり冷たくて、やがて口の中で脂身が溶けだし うま味が広がります。本当にただのしょっぱい脂と言ってしまえばそれだけだし、肥満を回避したい人なら口にすべきものではないと思うのだけれど…食べちゃった! 夫の冷静なアドバイスと、自分の理性をもってして、2枚味見をした後は申し訳ないけれど残すことに。
<サラダ>
名称、見た目、味、材料の手に入りやすさ、キャッチ―な条件が全てが揃っているが故に、ロシア圏(バルト圏)、北欧諸国ではかなり広く食べられているサラダの1つです。
1860年にベルギー人のシェフLucien Olivierが、レストラン「Hermitage」のために考案したもの。シェフは季節ごとに食材を変え、それに合わせて味付けも調整するなど かなりデリケートな配慮をすることに苦心し、顧客の心を掴むのに貢献しました。それなのに、そのレシピをOlivier氏は生涯極秘で通したため、そのものずばりの味を継承した人はいないとか。勿体ない話です。
<その他、前菜的なもの>
ロシアでは冬が長いため、新鮮な野菜が手に入る期間が短いのは容易に想像が出来ます。そのため、ピクルス(貯蔵野菜) を作るのが習慣としてあり、きゅうりなど世界的に一般的な食材の他、トマト、ニンニク、果てはスイカまで漬けてしまうのだとか。
食べたいモノはありましたか??
by hanatomo31
| 2012-08-20 15:04
| ロシアRussia