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空振りに終わった クノッソス宮殿

先日、ハナトモ流にご紹介した、古代クレタ島に発生した「ミノア文明」の作品の数々。イラクリオン考古学博物館に収蔵されている作品は「Κνωσός / Knossos / クノッソス宮殿」より出土したものです。もちろん、博物館を観にクレタ島に行ったんじゃありません。宮殿を見学するのが目的です。
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春先のギリシャは緑がいっぱいの瑞々しい時期でしたが、やはりココは遺跡。宮殿があった場所はもちろん、いわゆる遺跡然としています。
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発掘をしたのはイギリスの考古学者「Sir Arthur John Evans / エバンス」(1851-1941)。(上記写真、左に写っている人物) 発掘が行われていたのは、ちょうど20世紀に変わる1900年頃。
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宮殿には沢山の部屋があり、また平屋ではなく2階、3階と縦に広がりのある凝った複雑な作りであるところが特徴です。そのせいか、ギリシャ神話に出てくる、牛頭人身の怪物「Μῑνώταυρος / Minotauros / ミノタウロス」が閉じ込められたという「Λαβυρινθος / Labyrinth of Knossos / クノッソスの迷宮」はこれのことだったのか? と早合点してしまいそうになります。(もし、実在したとしても迷宮は別のところにあるはず。)

私がこの宮殿を訪れたい、そしてひいてはクレタ島を訪れたいと思うきっかけとなったのは、この宮殿の「女王の間」にあったとされる「Δελφίνι / Dolphins / イルカのフレスコ画」がみたかったから。
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(写真はWikipediaより借用)
遺跡にあるものは復元された物であって、オリジナルではないとは聞いていたものの、写実的な表現が得意なミノア文明の中でも、最もイキイキとしていて、魅力的で、個人的に1番楽しみにしてたものでした。それに、このフレスコ画がある広間には「女王の浴槽」「水洗トイレ」まであるという話ですから(宮殿には水道設備があったらしい)、水回りといった人の生活の跡が感じられるモノの見学に目のない私としては、いよいよ興味が湧いてくるのです。

それがねぇ…タイトルにもあるように空振りに終わったのです。というのも、遺跡自体はところどころメンテナンスが行われているとはいえ、通常通り見学可能だというのに、肝心の女王の間は工事中。というより、復元されたイルカの壁画が全部取り壊されていました。お風呂も水洗トイレもなし。だから、地図を見ながら壁画のあるべきところにたどり着いたのに、イルカが見当たらないという事態にしばし混乱しました。そして、やっとこの事実を飲み込むことができたというわけ。あぁ、だったら それならそうと、宮殿の入口にでもデカデカと書いておいて欲しかったよぉー!!

一気に、やる気を失ってしまったため、クノッソス宮殿の記憶も記録(写真のこと) も少なめ。だけど、もう少しだけ”がっかりする前に撮った写真”を載せます。
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「王座の間」と呼ばれる保存状態のいい部屋(復元かもしれないけれど) には、四方に想像上の動物「Griffin / グリフィン」が描かれていて、とても美しい。鷲とライオンの合わさったのがグリフィン。私が知っているグリフィンのイメージは羽の生えたタイプですが、こちらのグリフィンは羽をたたんでいるからなのか、背中はツルンとしています。
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「Το μπλε κυρίες / The Ladies in Blue / 青い貴婦人達」という名で知られるフレスコ画。若い女性を描いているということなのですが、特筆すべきことはこの3人が全員、胸のはだけた服装をしているということ。先日のイラクリオン考古学博物館にあった「蛇使いの女神」と同じ風俗です。
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そして、こちらもこの宮殿の代表的な壁画「ο πρίγκιπας των κρίνων / The Prince of Lilies / ゆりの王子」(復元)。この壁画に限らないのですが、ミノア文明の壁画には一部分に漆喰を厚く塗り重ねて、主題となるものに立体感をつけて表現しているのがみられます。これもその例の1つ。写真では分かりづらいですが、王子のカラダは背景より飛び出しているように描かれています。
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旅には新しい発見と同時に、多少のがっかりはつきものですが、イルカの壁画は最大のがっかりだったかもしれないなぁ。今でも悔しい気持ちが残ってるんだもの!

クノッソス宮殿
 夏期: 8:30-20:00
 冬期: 8:30-15:00
 イラクリオン市内発の市バス2番「クノッソス行」の終点下車。
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「ゲームに興じる姉弟」。現代とミノア文明のコラボレーション♬
by hanatomo31 | 2011-05-20 00:09 | ギリシャGreece

座右の銘は「空腹は最高の調味料」 欲しいのは「食べても食べても太らない、魔法のカラダ」


by ハナトモ