8月にスウェーデンのお宅に招待されて、このちょっと(かなり?!) 不気味な顔をした
「Festlykta måne / お祭り用 月提灯」が吊るしてあるのを見つけたら…それはきっと
「Kräftskiva / ザリガニパーティー」!! 提灯の写真は夜も更けてからの写真。もう少し時間をさかのぼって、パーティーの初めの方から見てみましょう。
お客さんがやってくる前。テーブルセッティングせっせと行うホスト。テーブルには赤い紙製のテーブルクロス、紙皿、紙エプロン、紙ナプキン(←これら重要!) がセットされています。
テーブルの中央に、ででででんっと置かれた本日の主賓
「Kräftor / ザリガニ」。天辺に飾られているのはディルの花。ザリガニを茹でる時の香り付けの薬味として必須です。ですが、今回のザリガニは「自家茹で」ではなく、あらかじめ茹でてある冷凍パックを買ってきて、数日かけて冷蔵庫の中で解凍させたもの(←重要な工程)。
ザリガニの産地はスウェーデンではなく(スウェーデンに元々いたザリガニは、伝染病でほぼ絶滅に近い状態になってしまったので、現在は輸入モノが中心)、中国とスペイン産が各4kgずつ。これで、8人分。ふふふ、すごい量でしょう。ザリガニパーティーの趣旨は
「ひたすらザリガニを食べること」なんですから。
冒頭に少し書きましたが、このパーティーではザリガニの汁でテーブルもお皿も指もぐっちゃぐちゃ、ベトベトになります。だから、紙ナプキン、紙皿はもちろんこと、紙エプロンも欠かせないのです。全員大人なのに、コドモの集団のようになって、ザリガニにかぶりつきます。この時はね、チューチュー音を立ててもOK!なんですよ。
ザリガニの体長はおおよそ15cmと言ったところでしょうか。胴体部分が1番身が多く、食べ応えのあるところですが、ザリガニ好きの通は、面倒がらずにちゃんとツメの部分まで殻を割って味わいます。味はロブスターやエビに似ており、日本の人なら親しみやすい味。
エビの味噌を食べ慣れている私は、ザリガニの味噌も丁寧に味わいますが、これをやっているのは
私だけ。ザリガニだけを食べ続けているせいか、味噌の味が濃いせいか、味噌を食べるのはだんだんと嫌になってきますけれどね。味噌は数尾でギブアップ。
そんな時、本来地味な存在であるはずの付け合わせの
「ビーツサラダ」、
「Västerbottenost / スウェーデン北部産の濃厚チーズ」、
「Knäckebröd / 薄くてかたいパン」がやけに美味しく感じます。
お酒を飲んだり、歌ったり…賑やかにやっているうちに、自然と大量にあったザリガニも殆ど食べつくされています。
そして、晩夏の夜はだんだん更けていきます。夏至のころとは違って、晩夏になると日一日と日没時間が早くなっていることに気づきます。
最後の締めは…庭でとれたラズベリーのムースケーキに決まり!! アイスクリームのように凍らせた、生クリームとゼラチンのラズベリーのムースは爽やかな酸味でお口直しにはもってこい♫ ひょっとして、もう1ラウンドザリガニが食べられるかも?!