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Lutfisk

スウェーデン、ノルウェー、フィンランドで食べられている不思議な魚(料理)、「Lutfisk / Lutefisk」
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スペインやポルトガルで食べられている干しダラ「Bacalhau (バカリャウ)」を、①5-6日水で塩抜きし、②2日間灰汁に浸け、③更に2-3日真水で灰汁抜き処理をした魚です。

どうしてそんなん面倒なことをするのか? 保存のきく干し鱈を有効活用する為の昔の人の知恵ですね灰汁に浸ける工程を経ることによって、魚は干す前の状態よりも水分を含んで、体積も重さも増えます。もしかしたら、かつて貧しかった頃に少しでも食べ物の「カサ」を増やすために編み出された裏技なのかもしれません。

塩抜きしたタラを灰汁に浸ける工程で、魚のタンパク質がゼリー状に変化します。そのため、半透明になったその身は、魚なんだけど魚じゃないような、プルンプルンの不思議な感触があります。

この魚を調理する時に考慮すべきポイントは、「味の無さ」「水分の多さ」「身の崩れやすさ」。味の無さに関しては、逆にいえば何味にでも染まってくれるので、お好みで色々な味が楽しめるということ。後者の2つは、何度か実験を繰り返して、コツをつかむ必要があります。

スウェーデンではこのLutfiskは伝統的にはクリスマスの御馳走として食べるもの。クリスマスの準備期間であるAdventの頃から、塩抜き作業を始めてクリスマスに間に合わせます。食べ方としては、ベシャメルソースやマスタードソースなど濃いめのソースで食べます。ノルウェーで以前食べた時には、ベーコンで風味づけし、澄ましバターをかけ、山羊のチーズ(Gjetost / Brunost) を添えて食べました。

現地での食べ方を知った上で、日本人の私が普段家で食べるんだったら、これがベスト!!と試行錯誤の結果たどり着いた食べ方がこちら。

<Lutfisk ハナトモ風>
=材料 (2-3人前)=
 Lutefisk (皮つき/なしどちらでもOK) 600g
 ベーコン 150g (お好みで加減)
 卵 3個
 コショウ 少々
 バター 少々
 
=作り方=
 ①オーブンをあらかじめ250°Cに熱しておく
 ②Lutfiskを3cm角ぐらいに切る、ベーコンも好みの大きさに切っておく
 ③ボールに卵を割りいれ溶く。Lutfiskとベーコンを入れざっくり混ぜ合わせる。
   コショウを少々入れ、味を調える。ベーコンの塩分があるので塩は加えない。
 ④耐熱皿にバターを薄く塗り、そこへ③の中身を流しいれる。
 ⑤表面をならしてから、アルミホイルをかけ、オーブンで50分~1時間焼く。
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 ⑥後半15分ぐらいは、アルミホイルを取って直にオーブンの火で焼く。
   魚から大量に水分が出るので、その水分を飛ばす意味合いもあるので直焼きは大事。
 ⑦表面に卵と魚のタンパク質によって膜ができるので、それが厚くなってきて表面に
   焦げ目が付くころが大体焼き上がりの目安です。
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ベーコンの旨みのチカラを再び借りて仕上げています。ベーコンの脂を使いすぎなければ、低脂肪&高タンパクな健康的なメニューではないかと。作る手間はほとんどありませんが、焼くのに時間がかかるので、時間に余裕のある時専用メニューです。

オーブンを使わなくても、フライパンにLutfiskを並べてフタをして「蒸し焼き」にするという調理法もあります。魚からじわじわと水分が出てくるので、水分のある食材(野菜など) の使い方に気をつける必要があります。また、身が崩れやすいのであまり何度もいじらない方がいいみたい。更に、ゼリーっぽい質感のため、一体いつ魚に火が通ったのかが分かりづらいのが困りもの。…等という試行錯誤を経て、上記の調理法がベストだなぁと思ったわけです。

Lutfisk、日本で手に入るのかどうかは全くもって謎です。IKEAに売っていたら、表彰ものだなぁ。
by hanatomo31 | 2009-02-09 07:04 | ノルウェーNorway

座右の銘は「空腹は最高の調味料」 欲しいのは「食べても食べても太らない、魔法のカラダ」


by ハナトモ