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スウェーデンのキッチン2 - ゴシゴシこすっちゃうの、やめて~‼

Mina Samlingar(別名義ブログ)で投稿した記事の再掲載です。
<スウェーデンのキッチン2 - ゴシゴシこすっちゃうの、やめて~‼ 2010年9月6日投稿>
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予定外でお宅訪問させてもらうことになったキッチンのお話。ストックホルムの旧市街「Gamlastan / ガムラスタン」にある18世紀頃に建てられた「Gustavian / グスタヴィアン様式」のアパートにある、ペントハウス(というより、屋根裏) のお宅から。生憎写真は1枚しかありません。

Gustavian様式…とはいうもののそれは建物の話で、内部は暮らしやすいように現代スタイルに改装済みです。キッチンで目につくのは雑誌の切り抜きをコラージュした扉で、モダンアート風。おそらく、現在の住人が何年も前に自分でデコレーションしたものなのでしょう。切り抜きの写真が程良く日に焼けて、色あせて…いい味わいを作り出しています。

左の窓側には、仕切りの入った中ぐらいのサイズのシンク。スウェーデン他、ヨーロッパのシンクは最新型のモノを除けば、この小ぶりのシンクが2つというスタイルが多いのです。私からしてみるとシンクが小さすぎて食器を置けないし、お鍋によっては中に入らないのでかなり使いにくいものなのですが、食洗機を使うことが前提となっている家事スタイルではこれが使いやすいよう。

使い方としては、食べ残しを捨ててから油汚れなど頑固な汚れをブラシでこすり落とし、水を溜めてあるシンクで食器を水にくぐらせ、ざっと汚れを洗い流し、食洗機にお皿をどんどん入れていく…というのが食器洗いの流れ。
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その油汚れを落とす時に、日本だったらスポンジを使ってお皿の表面をこすることが多いと思うのですが、スウェーデンではこのようなプラスチックの硬い毛足の長いブラシでゴシゴシこするのが主流です。日本だったらお風呂場のタイルやサッシの桟を掃除するときに使うブラシのような、そんなものです。
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スウェーデンの一般家庭で使われている食器というものは…お皿の上でナイフを容赦なくギコギコやるし、すごーく硬いブラシで遠慮なくゴシゴシやるし、食洗機でガシガシ洗うし…かなり酷使されているのが現状です。私などが熱い視線を送っている北欧のヴィンテージ食器も、元々はどこかの家庭で愛用されてきたお皿です。このような環境下で愛されてきたお皿の表面には、小さな傷が無数に付いてしまう訳ですし、表面の色/柄が薄くなったりしてしまうのです。

さらに言うと、北欧のヴィンテージ食器の場合、年代によっては食器の絵柄の上に釉薬がかかっていないものもあるので、そういったものは一層、こすれや摩耗に弱いというわけ。製品によって絵柄の剥げ具合が違うのはこういう背景もあります。

同じ製造時期の食器でも、お箸が中心、手洗い&スポンジ洗い中心の日本で使われてきた食器と、ヨーロッパで日常的に使われてきた食器を比較したら、かなり消耗具合に差があるはず。こういう違いも、実際に現地の家庭で普通の主婦が家事をやっている様子を見ることで納得がいくというもの。私は日本人なので、できることならキズや色ハゲの少ない状態のいいユーズドの食器を手に入れたいところですが、事情が分かると少しは許容できるというもの…でしょうか。

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冒頭写真のキッチンのお宅では、訪問時はちょうどお引越し準備中でした。そんなわけで、キッチンもいつもより散らかっている状況でした。そんなお忙しい状況にあっても、なかを見せてくれた太っ腹な家主さんに改めてありがとうと言いたいです。

by hanatomo31 | 2016-06-10 14:09 | スウェーデンSweden

座右の銘は「空腹は最高の調味料」 欲しいのは「食べても食べても太らない、魔法のカラダ」


by ハナトモ