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チーム「うなぎ」

私はあまりスポーツ観戦をしません。オーストラリアで盛んなクリケットやラグビーも、この国のことをもっと知るという点ではもっと興味を持ってみればいいのかもしれないけれど、テレビでやっていても「ふーん」という感じで素通り。でもね、1つだけ興味がそそられて、調べたくなっちゃうことがありました。それは、ラグビーのチーム名。これがね結構、面白いんですよ。
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ラグビーのことはなーんにも知らなかったのですが、今回調べているうちに豪で行われているラグビーには2種類あるということがわかりました。1つは「Australia National Rugby League」。そして、もう1つが「Australia National Rugby Union」。ほとんど名前が一緒で、間違い探しのようですが、「League」「Union」の違いです。

私の理解では、両者の違いはプレーするときに使うボール。その違いによって、「League」での試合展開の方がスピード感があるものになるのだそうです。もちろん、ルールも違います。(本質的な違いはほかにあるのかもしれませんが。) どちらも、「オーストラリア代表チーム」というのがあります。
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今日の本題チーム名。「League」の代表チームの愛称は「Kangaroos」そして、「Union」の方が「Wallabies」。どちらも豪を代表する動物で、ナショナルチームにぴったりですよね。

この国では「League」の方が盛んなようで、「National Rugby League」というプロリーグがあります。こちらは、16チームあるので順当なものから、私が興味を持つきっかけとなった謎のものまで玉石混合。(あら、失礼)
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「New Zealand Warriors」。豪のプロチームリーグですが、お隣の国ニュージーランドのチームも1つあります。「勇敢な戦士の民族マオリ」にふさわしい、マオリ風のロゴマークと「Warrior = 戦士」は納得です。なかなか素敵ですよね。


もちろん、オーストラリアにも強そうなキャラクターをあしらったチームはあります。
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左から、「Canberra Raiders = 賊」「Gold Coast Titans = 巨人」「Newcastle Knights = 騎士」「North Queensland Cowboys」どれがカッコいい等はそれぞれ好みでしょうけれど、屈強な男たちがプレーするラグビーならではのネーミング。ちゃんと調べてはいないのですが、それなりにチームの本拠地の名前であったり、歴史にちなんだ名称を選んでいるはずです。

強そう、またはかっこいい系の動物シリーズも。
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上段左から、「Belmore Bulldogs = ブルドッグ」「Cronulla-Sutherland Sharks = サメ」「Manly Warringah Sea Eagles = 海ワシ」「Wests Tigers = タイガー」
下段左から、「Penrith Panthers = 豹」「St. Geo Illawarra Dragons = ドラゴン」「Brisbaine Broncos = 野生馬」

そして、ここから先は私の感性では「少し不思議&とても不思議」に感じるチーム名。チーム「うなぎ」_b0111820_10152698.jpg

「Sydney Roosters = 雄鶏」
ラグビーのチーム名として「雄鶏」はそれほど変でもないのかもしれません。が、「あれれ、こういう名前のチームってどこか他にもあったような?」と思って、チーム名の由来を調べてみたら、やっぱり。フランスの代表チームからヒントを得ているのだそうです。


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変り種なのは「Melbourne Storm = 嵐」
人でもなく、動物でもなく、気象を選びましたか!(ロゴには人のようなキャラクターいるけれどね。) なかなか面白い目の付けどころです。

もともとメルボルンのチームは「Maverick = 一匹狼」という、孤高のガンマンのキャラクターで親しまれてきたそうなのですが、「あまりにもアメリカっぽすぎる」という批判を受け変更をしたそう。でもその時に「嵐」を選ぶとは。メルボルンの人には説明がなくともすんなり受け入れられるのかもしれませんが、私にはいまいち選ばれた背景がわかりません。「雨が多いメルボルン」という意味も込められているのかな? パワーやエネルギーといったものは感じられますが。

さて、これまで見てきたものに共通していたのは「強い」「戦い」「かっこいい」「荒くれ」などの要素を何らか含んでいました。でも、最後の2つはどうもそれだけでは説明しきれない、謎めいた名称なんです。

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「South Sydney Rabbitohs = ウサギ」
「え、ウサギですか?」 ダメとは言わないけれど、「なぜウサギなの?」と思わずにいられない。これはやっぱり由来を調べなくっちゃ納得がいきません。

サウスシドニーラビトーは歴史のあるチーム。20世紀初頭頃は彼らは裕福なチームではなかったため、本業のラグビープレーヤーのほかに、毎週土曜日は副業で「ウサギ狩り」をしてお小遣い稼ぎをしていたそうな。強そうな男たちは声も大きく、狩りをするときには「ラビトー」と叫んでいた。彼らは狩りに行く時もユニフォームを着て行き、その場でウサギをさばいていたので、ウェアにはいつもウサギの血や毛がこびりついていた。裕福な相手チームは血みどろで、生臭い匂いのするこのチームを揶揄して、彼らの狩りの時の叫び「ラビトー」と呼んだのがチーム名の始まり…とのこと。

だから、このチームの場合は上記にあるようなキーワードは無関係だったわけです。納得?
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最後の大トリは、「Parramatta Eels = うなぎ」
耳を(目を)疑いませんか? 「なに? うなぎですと?」ってね。なにが良くってうなぎなのか。こんなニョロニョロの名前ではチームの人気なんか出ないよ、と私は思うわけ。それとも、オーストラリアでは「うなぎ」の持つ意味合いが違っていて、特別な存在なのか? など色々考えました。知り合いの豪人にも聞いてみました。でも、誰も知らなかった。というより、「当たり前のようにこの名前に馴染んでいるから、疑問にも思わなかった」のだそうですよ。

もちろん、調べました。そうしたら、これには深い由来があったのです。
うなぎチームの拠点「Parramatta(パラマタ)」はシドニー近郊にあるエリア。地名はその地に元々住んでいたアボリジニの人が呼んでいた地名「Barramattagal(バラマタガー)」が英語風になまったもの。その名の意味するところは、「うなぎの棲むところ」
ね、わかりましたよね、それに由来して「うなぎ」チームになったんです。

理屈としては納得はしたんですが、やっぱり「うなぎ」という名前には私はまだまだ違和感があります。Parramattaの人たちは「うなぎ、頑張れ」「負けるな、うなぎ」って応援するんですよね、やっぱり。わっはは。:D

(写真やロゴはすべてwww.league.net.auより借用)

うーん、うなぎ。しつこい?
by hanatomo31 | 2009-08-28 10:25 | オーストラリアAustralia

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