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木曜日は「豆スープの日」

ストックホルムのレストランで昼食を取ると、それなりにいいお値段がしますが、オフィスビル等に入っている「食堂」で定食ランチを食べると、リーズナブルに済ませることができます。大体どこも「メインディッシュ+サラダビュッフェ+パン+ソフトドリンク+コーヒー」で70-90SEK (約700-1000円 近頃の急激な円高で日本のランチ並みの値段になりました。) でお腹いっぱい食べることができるということもあって、連日ビジネスマンで大賑わい。

私の行きつけ(?) の食堂は、日替わりメニューがいくつかあって、「ノーマル」「ベジタリアン」「フィットネス(脂肪分控え目)」「スープランチ」「サラダランチ(これだけは毎日一緒)」の5つから選べるので、「それなりに選べた感」があってよい感じです。野菜の種類と品質が貧弱で、なお且つ割高なストックホルムの冬の生活では、この食堂のサラダビュッフェが案外ありがたい存在だったりします。

この日替わりメニューには、「スウェーデンの国民的食べ物=ミートボール+リンゴンベリージャム(Köttbullar)」がしょっちゅう登場しますが、もう1つ頻出メニューがあります。それは「豆スープ&パンケーキ (ärtsoppa och pannkaka)」。(↓下の写真)
これだけは、「木曜日のお決まりメニュー」。
木曜日は「豆スープの日」_b0111820_8253621.jpg
黄色い乾燥エンドウ豆を使ったスープで、私がオランダで食べ親しんでいた「緑エンドウ豆スープ(Erwtensoep)」によく似ています。お豆の他には、ソーセージの切れっ端やスモーク風味の付いたお肉が入っています。お好みでマスタードを入れるのがスウェーデン流。

そして、どういう訳か「豆スープ」には決まって「パンケーキ」がセットで付いてきます。他の定食にはデザートは付かないのに、このメニューだけはアリ。ふーむ。

さて、「どうして木曜日に豆スープなの?」 今回もいつものように、カトリックの習慣とスウェーデンの食文化の融合によって生まれた習慣のようです。(でも、信仰心のあまりない現代スウェーデンではカトリックの色合いは極薄)

元々カトリックの教えでは「金曜日は十字架の上で磔になったキリストの苦しみを忘れないがために、節制(お肉を食べない等)をする日」と定められています。そして、金曜日を乗り切るために、「前日の木曜にはしっかり滋養を取っておこう♪」と、なるわけです。

今でこそ豊かな国の1つになったスウェーデンですが、かつての姿は貧しい北国。木曜日に滋養のあるものといっても、そんなにがっつり食べるものもある訳でなし。でも、ヴァイキングの時代からエンドウ豆のスープは、肉片とともに煮込まれる栄養価の高いメニューとして庶民にも定着していました。そこで、「木曜日は豆スープ(お肉つき♪) の日」となったようです。

だけど、問題はパンケーキ。「なぜ一緒に食べるのか?」 調べてもなかなか明快な答えが見つかりません。
パンケーキはおそらく、近年になってから木曜のメニューに追加されたんじゃないかと睨んでいます。
そして色々考えた結果、私の推測ですが、メニューに追加された理由はこんなものではないかと…。
 「木曜日に豆スープも良いんだけど、今時、豆スープだけじゃ質素すぎてどうも気分が盛り上がらないよね。」
 「じゃ、みんなの好きなパンケーキ付けちゃおうっか?」
 「賛成! それがいいと思う!!」
by hanatomo31 | 2009-01-16 08:57 | スウェーデンSweden

座右の銘は「空腹は最高の調味料」 欲しいのは「食べても食べても太らない、魔法のカラダ」


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